天才が授けるマインドセットと描く夢

天才が授けるマインドセットと描く夢

世界に3億ユーザーを抱える語学学習サービス「Duolingo(デュオリンゴ)」。30カ国語以上の言語を対象に90の言語コースを無料で提供するプラットフォームを生んだ“天才”が夢見る、10年後の世界のかたち。

Words Sota Toshiyoshi Photos Tohru Yuasa Edit Tomoya Kotani

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ネット上での自分のふるまいが、知らない誰かの益となる——。それだけ聞くと、よくあるSFホラーのような話に思えるが、その“誰か”が何者で、“益”が何であるかによって、その評価は180度変わる。

グアテマラ生まれのアメリカ人、ルイス・フォン・アンもそうした転換を可能にするひとりだ。米『Fast Company』誌の選ぶ「ビジネス界の最もクリエイティブな100人(100 Most Creative People in Business)」をはじめ、世界の有力メディアがこぞって「クラウドソーシングの天才」と称した男の手にかかると、ネット上で何億人が費やした時間はポジティブな説得力をもって、社会を変える大きな力へとかたちを変えてしまうのだ。

ルイスが2011年にローンチさせた語学学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」は、英語をはじめとする30カ国語以上の言語を対象に90の言語コースを提供し、いまや世界で3億人を超えるユーザー規模を誇る一大サービスへと成長している(2019年7月現在)。19年11月には、日本語ユーザー向けの中国語学習コンテンツの提供もスタート。Duolingoの着想を得たときのことを、ルイスは次のように振り返る。「僕の故郷であるグアテマラをはじめ、経済格差にあえぐ国々の若者が生きていくには、世界へと打って出ざるをえない。事実、外国語、特に英語を学ぶことで、経済的な弱者とされる人たちはよりよい仕事に就くことができているんだ。でも一方で、語学学習には多額な投資が必要になるよね」。

日本語版のDuolingoを操作するルイス。

ふたつの相反する現実への解として“天才”が生み出したのは、すべての学習コンテンツを無料で利用できるプラットフォームだった。そして、それはいま、文字通り世界規模で教育の現場に変革をもたらしている。

2018年に開設したDuolingoの上海オフィス。現在9人のスタッフが働いている。

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