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【アトラエ × ネットプロテクションズ経営者対談】「正しいことを正しいと言えない組織って、おかしいですよね」[1/3]

【アトラエ × ネットプロテクションズ経営者対談】「正しいことを正しいと言えない組織って、おかしいですよね」[1/3]

未来の「会社づくり」を考える対談企画、第二弾は「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンを掲げ、ユニークな組織づくりを行う株式会社アトラエとの経営者対談です。フラットで歪みのない組織を目指す背景にはどんな想いがあるのか、お話を伺います。

以下
新居:株式会社アトラエ 代表取締役 新居 佳英
柴田:株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役社長 柴田 紳
モデレーター:株式会社ドットライフ 代表取締役 新條 隼人

ーアトラエの組織の特徴を教えてください

新居
「ホラクラシー型」と呼ばれる完全フラットな組織体制が特徴ですね。取締役以外の役職が一切存在しなくて、横並びのメンバーがプロジェクト型組織として動いています。各プロジェクトにはプロジェクトリーダーがいます。ただ、プロジェクトリーダーは「出世」という概念ではないので、給与も年齢もメンバーの方がリーダーより上なケースが多々あります。一般的なマネージャーとか部長という概念とは全く違う、特殊な組織体ですね。

ープロジェクトを作るのはトップダウン?

新居
プロジェクトを作るのは取締役会決裁なので、人とお金を投資する判断は役員がしますけど、実際にメンバーになるのは本人の意思が8割です。その他のルールは全く決まってないので、かなり柔軟ですね。

ーピラミッド型の組織との一番の違いは?

新居
現場での意思決定が圧倒的に早いことですね。僕の知らないところで色んなことが動いています。プロジェクトリーダー決裁で動くことはもちろん、プロジェクトリーダーすら介さずにどんどん現場で動いていくものもあって、各自が適宜判断しています。

株式会社アトラエ 代表取締役   1974年生まれ/上智大学理工学部卒業。   同年4月、株式会社インテリジェンスに入社。 マネージャーとして人材紹介事業に携わった後、2000年7月 自ら設立した子会社の代表取締役に就任。 2003年9月に株式会社インテリジェンスを退社し、株式会社I&Gパートナーズ(現・アトラエ)を設立、代表取締役に就任。 2016年6月東証マザーズ上場。
株式会社アトラエ 代表取締役  
1974年生まれ/上智大学理工学部卒業。  
同年4月、株式会社インテリジェンスに入社。
マネージャーとして人材紹介事業に携わった後、2000年7月 自ら設立した子会社の代表取締役に就任。
2003年9月に株式会社インテリジェンスを退社し、株式会社I&Gパートナーズ(現・アトラエ)を設立、代表取締役に就任。
2016年6月東証マザーズ上場。

ー柴田さん、ネットプロテクションズの組織の特徴を教えてください

柴田
組織の中で個人が立つ、個々人が人間らしくいられるような会社づくりというのが特徴だと思います。例えば、具体的な取り組みでは、ビジョンシートという制度があります。半年に一回全社員が、自分はどういうキャリアを歩みたいのか、どういうチームに移動したいかを作って提出するんです。それが全社開示されるので、全社から見える状況で人事が行われます。あとはワーキンググループっていう、ライン業務と平行したプロジェクトワーク制度。採用とか、新卒研修とか、3カ年の予算策定とか、「会社をつくること」そのものを公募でやっています。個人がどの部署に所属するのか、どういうワーキンググループに入っていくのか、それを自分で選べるっていう仕組みです。

新居
既存の業務とワーキンググループのバランスはどんな感じですか?

柴田
一応建前8:2で、人によってはワーキンググループの方が8ぐらいになってるやつもいて、そのへんは適当です。

新居
本音と建前ですね。(笑)

「大企業社会の常識」への違和感が原動力

ー今の組織を志向した背景は?

新居
前職時代に遡るんですが、入社当時はベンチャー企業だったのが、人が増え事業が成長するにつれていわゆる大企業的な部分が出てきて、もっとみんなが働きやすくなるようにしたい!と改善を試みたものの…ここでは詳細は言えませんがなかなか大変でした(苦笑)

やはりピラミッド型の組織だったので、上のポジションについている人が権限を持っていて、現場はその承認を得ないと動けない。でもそれだと若くて力のある人のスピードや才能をつぶしてしまうことにもなりかねないですよね。それに、『半沢直樹』の世界もそうだけど、上からの評価や承認を気にする組織になりがちで、それだと判断を誤ることもあるなと。
でもスポーツチームってそうならないじゃないですか。スラムダンクの湘北とかって、別にヤンキーだろうとバスケが下手だろうと平気でみんな言いたいことを言う。その方が正しいと思っていて、だから自分が創る会社には肩書や役職なんていらないんじゃないかって。そこからスタートしている感じですかね。

柴田
入り口は似ているかもしれないですね。僕も結局商社にいた時の上下関係とか、そこへのアンチテーゼみたいなのがすごく大きいんで。なんか肩書や役職がついてる人がやたらとえらくて、周りは反論禁止みたいな。

新居
正しいことを正しいと言えなくなっちゃうんですよね。間違っていることを指摘できなくなる感じがよくないですよね。それを指摘してきた人たちが今ここにいるみたいな。うちの社員が他の会社で働こうとすると、すごく戸惑うと思いますよ。うちでやっているみたいに「ちょっと社長、それおかしくないですか?」なんて言おうものなら、下手したらクビが飛びますからね。(笑)

「事業のための組織」でボロボロに

ー創業時から組織の理想像は変わらない?

新居
ずっと変わってないです。昔から「社員にとって働きやすい会社をどう作るか」みたいなことは考えていましたね。ただ、昔は会社がてんてこ舞いだったので、そんな余裕がなかったです。とにかく、売り上げを作って、キャッシュを作り出さないと当時はつぶれそうだったので。組織のことはほとんど手付かずでしたね。特にリーマンショック直後は、生き残るためだけに動いてました。

理想的には事業・組織両方パラレルでしっかりやっていくことが大事だと思ってるんですけど、会社の生死に関わるときは、短期的なことを重視せざるをえない。でも、現段階ではかなり余裕があるので、事業・組織両方にしっかり投資ができるタイミングにはなっていると思います。

柴田
それはうちも近いです。僕もVCの投資担当として2001年にこの会社に出向してきて、最初の方は生きるか死ぬかだし、事業がうまくいくかどうかに集中しきってたんで、組織は正直全く考えていなくて。しかも買収で入ってて、周りにいるのは15人の信頼関係の築けていない人たち。スタートラインはそんな感じです。

それが、事業を拡大していく中で、ビジネスモデル的に、セールスも、マーケも、オペレーションも、コールセンターも必要になる。機能がどんどん増えて、絶対に一人ではやりきれないので、嫌でも組織にしていく必要があったんですよね。最初は完全に事業のための組織、成果を上げるための仕組みという観点だけでしたね。いい組織を作るという概念はそんなになくて。だから、最初新卒採用は馬鹿らしいと思っていました。ひたすら中途でできる人を集めた傭兵みたいな組織でいいんじゃないかって。

20代の経営者ってこの道入りかける人多いんじゃいないかと思います。育てるとか面倒くさいし、他で育ってる人取ればそれで全然いいじゃんみたいな。最初やろうとしたのがそんな思想だったから、いざ組織を構築しようと、やってみたらもうボロボロでした。

ネットプロテクションズ 代表取締役社長(CEO) 1975年生まれ、一橋大学社会学部卒業。1998年、日商岩井(現・双日)に入社し、2001年にITX入社。同年、ネットプロテクションズに出向し、2004年に代表取締役社長CEOに就任。 「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに事業づくりだけではなく、企業・メンバー・社会のすべてがwinとなるような会社づくりを目指す。
ネットプロテクションズ 代表取締役社長(CEO)
1975年生まれ、一橋大学社会学部卒業。1998年、日商岩井(現・双日)に入社し、2001年にITX入社。同年、ネットプロテクションズに出向し、2004年に代表取締役社長CEOに就任。
「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに事業づくりだけではなく、企業・メンバー・社会のすべてがwinとなるような会社づくりを目指す。

野球よりサッカーに近い組織。
シュートは打てますけど、ディフェンスできませんじゃ厳しい。

ーフェーズによって採用の方針は変わった?

新居
リーマンショック前は新卒・中途半々くらいで組織を作っていましたね。でも、リーマンショックで業績が悪化した時に底知れぬパワーを発揮したのは新卒メンバーで、彼らと一緒に事業を立て直しました。うちに限らず世間一般でも、会社へのロイヤリティの強さは新卒>中途となりがちですね。ああいう変化の激しい中で、最後まで一糸乱れずよく一緒にやりきってくれたな、と改めて思いますね。

ー新卒・中途の比率は意識している?

新居
特に目安は置いてないですね。会社のカルチャーが強くなっていくほど、朱に交われば赤くできるので。今は結構文化が強いので、この状態であれば、若手の中途であればどんどん入ってきてもたぶん大丈夫。事実、結構中途で入ってきて今活躍している人もいます。

ただ一方で、40代を超えると、本当に仕事ができるプロフェッショナルじゃないとちょっと厳しいと思います。この分野だけは特別にできるっていう人だとしても、組織作りができなかったりすると、うちの会社だとバリューが半減しちゃうんで。

ー一般の市場価値と乖離が出るのはどの部分?

新居
大企業のように完全な縦割り組織ではないので、お互いの領域も結構踏み込み合うんです。そういうことを柔軟にできて、お互い協力しあえるチームプレーヤーじゃないと、うちでパフォーマンスを出すのは結構厳しいですね。野球ならピッチャーはピッチャーだからバッティングが下手でも活躍できます。でもうちはサッカーに近いイメージなので、「僕いっさい守備できません」だと活躍できないんですよね。なので、大企業でフォワードしかやったことありません、シュートは打てるけど、ディフェンスは一回もやったことありませんって人はかなり厳しいと思います。

柴田
その部分質問です。スキルに加えて、大企業の上下関係とか風土を持ちこまれるのってどうですかね?

新居
うちの場合それもアウトですね。変なプライドが邪魔しちゃって、若い人の意見が正しいのに聞けなかったり、「自分は先輩なのに」みたいなことが前面に出ちゃうとワークしなくなっちゃうんで。
それに、組織って本当は外向けに何かしらの価値を提供するために動いているはずで、特にうちはその意識が強いんです。なので、「自分がどう評価されるか」「自分がどう出世するか」とか内向きなところに重きを置く人とは判断軸が違うのでうまくいかなくなる。うちの文化とは大きく異なるのですごく苦しむと思いますよ。

柴田
うちも同じです。露骨にぶつかりますからね。(笑)

 

 

次回経営視点を持った、成熟したリーダーを増やすことが重要
に続く

ThinkAbout編集部
ThinkAboutを運営するネットプロテクションズの社員によって構成される編集部です。
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