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【アトラエ × ネットプロテクションズ経営者対談】 「まだ世の中にない組織になり、社会のロールモデルになる」[3/3]

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【アトラエ × ネットプロテクションズ経営者対談】 「まだ世の中にない組織になり、社会のロールモデルになる」[3/3]

未来の「会社づくり」を考える対談企画、第二弾は「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンを掲げ、ユニークな組織づくりを行う株式会社アトラエとの経営者対談です。2社が描く理想の会社像とそこに至るまでの課題とは、お話を伺います。

アトラエ × ネットプロテクションズ経営者対談はこちらから↓
[1/3]「正しいことを正しいと言えない組織って、おかしいですよね」

[2/3]「経営視点を持った、成熟したリーダーを増やすことが重要」

以下
新居:株式会社アトラエ 代表取締役 新居 佳英
柴田:株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役社長 柴田 紳
モデレーター:株式会社ドットライフ 代表取締役 新條 隼人

社会・会社・個人の幸せを追い求める組織

ーミッション・ビジョンと組織の関係性は?

柴田
うちのミッションは、「つぎのアタリマエをつくる」なので、事業ミッションと組織ミッション両方含んでいるような、そんなイメージですね。「社会をよりよく変えうるような事業かどうか」っていう判断軸に、ミッションそのものがなっている気がします。組織としても、社会に対してロールモデルとして提示しうるような、そういう次のあたりまえを作っていきたいと考えています。

ー組織が社会に対してロールモデルになっている状態とは?

柴田
成果を上げるための組織なんですけど、それ単体だと人は幸せになりづらいと思うんです。だから、成果を上げながら、人がそれぞれダイナミックに成長をしながら、かつ各々が、軸は少し違うかもしれないけど、みんななるだけ幸福でいられるみたいな。社会、会社、メンバーの3つの要素を高い水準で満せてるかどうか。そこにあるのかなあと思います。

ーどの組織も目指してしかるべきことに思えるものの、他社で成し得ていないのはなぜ?

柴田
3つを高めにいくことを本気で思っていない人がそこかしこにいると、一部の人がそう思っていても、その組織がその色にならないんです。特にマネージャーとか、その辺りの人がその意識を持っていないと、メンバーがどう思ってもやっぱり変わりづらいんです。たとえば商社に入って、最初はものすごい違和感だらけで、生産性も低いし、なんか全然人成長してないし、つまんなそうな人が多い。こんなんダメだろうと思って声をあげていくものの、みんなから反発されたらつぶされるので、そのうちもういいやってなっちゃうみたいな。それで悪循環が続き続けるみたいな、そんな構造なのかなと思います。

ー周囲が反発して潰すのはなぜ?

柴田
常識だからですね。会社っていうのはこういうものなんだっていう。

新居
『半沢直樹』の世界ですね。

ー目指す組織における、個人と組織の関係性は?

柴田
会社の中において、個人がなるべくコラボレーションしてほしいなと思っています。会社と個人の関係性が横にあるというか、相互依存みたいな。どちらかだけが依存している状態はやっぱり歪んでいると思います。

ー具体的にはどんな働き方?

柴田
個人間だと、まず同じ目的をすり合わせて、その目的に至るためにそれぞれの強みを提供しあいながら、相手の立場を考えながら動く。ひたすら傾聴してるだけだと前に進まないので、強い主張も必要だし、バランスよくみたいな。そこの背景には、そもそもその人をちゃんと人として知っているとか、尊重しているとか、人間としてのベースは欠かせない気がしますけどね。

ー立場による対立や、個人のベクトル違いなど、成り立ちにくい部分もあるかと思うが、どう設計していく?

柴田
まさにそこで悩んで10年前から新卒採用を始めたんですよね。人を変えるのは難しいから、新卒採用から一緒に歩調合せて進めていかないと無理だわ、みたいな。それで、2007年から本格的に新卒採用を始めて、入社後に社長研修を僕が半年間やって。内容もいきなりMBAに触れて経営者視点を意識してもらって。それがないと、厳しいわって。部分・細部の集合は全体にならないので。全体最適と長期目線をあとはもってもらわないと絶対にワークしないなって。

ー柴田さんは、自身がオーナーでビジネスモデルが違っても、いまの組織ビジョンを掲げる?

柴田
結局人間は弱いので、本当に会社を大きくして社会への提供価値を大きくして、そのためにどんな苦労を厭わずに前に進む、みたいなことをオーナーでやれるのかはやや微妙です。一定まではやれる気がするけど、一定のところくらいで、人の育成の方が好きなので、より学校じみた組織にしちゃいそうな気もします。数字をあげる、利益を上げることに一定以上あまり執着せずに、それよりもとにかく人に投資して、人がいい体験をしてよりいい成長ができるみたいな、そっち側に振っちゃう気がする。だから会社とは呼べないような組織体にだんだん行くんじゃないかなって気がします。

ー社会のロールモデルになるには、その会社が持ち合わせる前提条件が大きいのではないか。他社が学ぶ際はどうやって再現すればいいのか?

柴田
新居さんもそうだと思うんですけど、何か一要素ですごい似るわけではなくて、360度全部を一生懸命整えていって、初めてこういう風土になっていくんだと思います。それでいくと、根本的な思想というか、社員個々人の幸せとかって大事だよねとか、そこをリーダーが知るだけでも価値はあるかなと思うんです。あとは本質的に、社会にそういう組織体を生み出していこうと思うと、うちなりアトラエさんなり、この中で育ったいいリーダーが次の場を作るとか、そんなサイクルが回って初めて実現するのかなって。外から見て模倣するだけでは極めて困難だろうなって思います。

全員がリーダーになれたら、そんなに強いものはない

ー新居さん、理想を体現している組織とはどんな状態?

新居
どうですかね、まだ世の中にロールモデルがないと思っているので、難しいなと思っていますけど、イメージとしては、スラムダンクの湘北高校バスケ部のような感じです。すごい頭がいい奴もいるし、24時間働ける奴もいるし、IQが異様に高い奴もいるんだけど、全員が同じ目標に向かって一致団結して役割分担をしながら有機的に何か実現しようと切磋琢磨するのがいいなと思っています。

あんまり会社と個人の役割を分ける必要はないと思っていて、会社ってのは個人が集まるチームの総称だと思ってるんですよね。たまたま今は、日本というか人類が作った株式会社っていうプラットフォームに乗っかってるのが一番合理的なので、そうしてるだけで、別に有限会社だろうと合資会社であろうと、ぶっちゃけ何でも形は良くて、今のこのメンバーで成し遂げたいことがあってそれをやってるだけ。それを株式会社という形を使ってやっているというだけというイメージですね。

ー理想に対して今足りていない部分は?

新居
正しいことが正しく、誰でも実現できる会社になってきている反面、完全フラットな状態だと、結構難しいこともあります。特にマネジメントに関しては、ポジションが人を育てる可能性もあると思っていて。フラットの中でもリーダーシップを取る人は取るんです。ただ、「取れれば取ったほうがいいけど、取れなくてもいい」って状態だと取ろうとしない人もいる。

一方で、マネジメントに抜擢される仕組みだと、絶対リーダーシップをとらなきゃいけない。自分のメンバー、部下、チームに対して全責任を負うんだっていう気持ちで必死に努力して、メンバーと向き合おうとするじゃないですか。それがリーダーを育てる可能性もあると思うんです。うちは階層がないから、リーダーが育たない可能性もあるだろうなと思っていて、そこが最近の課題ですかね。

最近わかってきたのは、トップレベルのリーダーシップの強い人間は、どんな環境でも勝手にリーダーになります。どっちにしてもリーダーシップを発揮しない人間は、どんな状態でも、フォロワーにしかならないですよね。その間のゾーンにいる人間を引き上げるには、実はマネジメントやリーダーというポジションを与えていくほうが効果的なのかもしれないなと。でも作りたくないなという気持ちもあり、かなり悩んでますね。最近のうちの経営ミーティングのもっぱらのテーマです。

ー柴田さん、同じく理想に対して今足りていない部分は?

柴田
いろいろ切り出してみれば、いいところも悪いところもあるものの、全体としての点数は結構高いと思っていて、現段階ではここが致命的に問題だよねっていう感覚はないです。ただ、うちはまさに新卒組織で、正社員80弱人分の60弱が新卒なので、若手が多いんです。もう少し経験を積んで、もう少し成熟度が上がってくると、組織としてはすごい強いだろうなと思ってますね。今はまだ教育期間中というか、そこがさらに強くなるとよくなるんだろうなって。

ー組織の中での役割の比率のイメージはある?

新居
そんなにないんですけど、ちゃんとマネジメントがワークする範囲ってだいたい10人くらいまでだと思っているので、少なくとも10人に一人は経営人材が居なくてはいけないと思っているんですよね。理想では6・7人に一人いるとかなり円滑に組織が回るだろうなと。

柴田
うちは大体の人がリーダーになりたがっている集団なので、言ってしまえば全員リーダーなのかもしれないですね。単純にそうなってほしいなっていう思いもあります。うちではUMとかGMっていう等級があるんですが、免許制にすることを考えています。ポジションとして空かないと次の人がなれないというものじゃなくて、基準を達成していればなれる、気づくとUM・GMがたくさんいるような組織になっていくのが適切なのかなって。今は組織が若いから、ピラミッド構造に一応見えるけど、あと5年くらいたつと、直近の新卒層もUM・GM免許をもってリーダーが分厚くなるのが理想的なのかもなって。そこが分厚くなると、他の事業展開がすごくしやすくなるなと考えています。

新居
それは僕も同意見で、うちの会社もポジションにこだわりはないけど、うちの経営MTGでの議論のスピードの速さと正確さがとんでもないんだよね。このメンバーで事業をやれば絶対いけるよねって思える。みんなそのレベルで議論できるようになると、こんなに強いものはないなって。そういう意味で免許制はいいなって。免許制にしましょう!うちも。

柴田
そのポジションに執着して、他を排除する人がいると死んじゃうんだけど、他の人の発達成熟を喜ぶようなマインドがあって、免許を持っている人が増えるのは大歓迎だなと思います。成熟したコラボレーションってそういうところから生まれるのかなって思います。

ThinkAbout編集部
ThinkAboutを運営するネットプロテクションズの社員によって構成される編集部です。
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