人事の私が「先駆者」たちに話を聞きに行く理由

執筆者: 河西遼
vol27
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人事の私が「先駆者」たちに話を聞きに行く理由

執筆者: 河西遼

はじめまして、ネットプロテクションズの河西遼と申します。私は新規事業の立ち上げを経たのち、自ら異動希望を出し、現職の人事企画の職に就いています。

私は「集団の幸せをどうすれば最大化できるのか」という課題に対する理想解を追究することを、人生のミッションと置いています。そんな私が、これから「会社づくりを考えるメディア」であるThinkAboutを通じて、組織や社会の幸福の最大化というテーマについて、様々な分野の先駆者の方々に話を伺い、発信していく予定です。今回はどうして私がこのミッションを追究しようと考えたのか、どうして本インタビュー企画を行うこととしたのかについて、お話しできればと思っています。

原動力は自ら考え、社会に影響を与えること

学生時代、私は人体や身体機能、人間心理や哲学に漠然と興味があったので、東京大学医学部の健康総合科学科に進学するも、就職活動時には「自分は何になりたいのか」が定まらず、そのまま大学院へ進学することにしました。

そこではじめて「どのような基準」で「どのような会社」を選ぶべきか徹底的に考えるようになり、様々な企業のインターンシップに参加しました。その中で見出した仮説が

「私が考え、起こしたアクションが社会に影響を及ぼし、その反応を観測しながら試行錯誤をすることで、社会的インパクトをより大きくしていく。この一連のプロセスが、最も自分を熱狂させる原動力である」ということ。

この仮説をもとに、「社員の裁量が大きいこと」、そして「ビジネス資産や事業のポテンシャルが高いこと」という2つの軸を導き出し、その軸に沿って考え、最終的に選んだ企業がネットプロテクションズでした。ネットプロテクションズは上記の軸に当てはまっていただけでなく、人はどうあるべきか、人が幸福に働くことができる組織、社会とはどのようなものかなど、個人、組織、ビジネスのあり方についての深い洞察が組織に浸透しており、そのような環境との相互作用が、非連続的な成長につながるのではないかという期待が、最後の決め手となりました。

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具体業務に触れることで気づいた、私を突き動かす「真の欲求」

入社してから半年後、私はセールスグループに配属されました。社会にインパクトを与えたい、この欲求を満たすべく未開拓の市場の調査に取り組みました。その成果もあって、私は入社2年目のころには新規事業を提案し、立ち上げチームの責任者に任命されることとなりました。

「社会にインパクトを与えたい」という欲求を新規事業の立ち上げを通して実現していく中で、自身の欲求がより明確化されていくことに気づきました。具体的な業務に触れることによって、自身がどういうことにやりがいを感じるのか、興味深いと思うのかがわかるようになっていったのです。それらの経験を改めて振り返った時、初めて自分の「真の欲求」が理解できました。それは「世の中の原理、原則、メカニズムをより本質的なレベルで把握することへの知的好奇心」だったのです。そう考えると、昔から心理学・哲学に興味を持っていたことも腑に落ちましたし、「社会にインパクトを与えること」も、それ自体がやりがいにつながるというよりは、「社会変容を自ら起こすプロセスにおいて、社会の仕組みについてより深く理解すること」にやりがいを覚えているのだと気づきました。

テーマを絞る上で大切にした2つの軸

私にとって興味のある「世の中の原理、原則、メカニズム」の対象は山ほどありました。では、それらに人生を通じてどう取り組んでいこうかと考えた結果、私は2つの軸を元に突き詰めるべきテーマを選ぶこととしました。

その2軸とは、

1「社会にとってそれを追究することに価値があるのか」

2「それは一生突き詰めがいがある、難解かつ壮大なトピックなのか」

という軸です。1の軸は当然のことでもありますが、社会にとって有益な取り組みであるほど、周囲を巻き込みダイナミックに物事を進めることができ、また結果として対価を得て、持続的に取り組みやすいと考えたため設定したものです。

2の軸については、1つのテーマを突き詰めれば集中的にその事象に対する知見を得られるため、それだけ社会に与えられる価値提供も大きくなり、価値提供が大きくなればさらにダイナミックに仮説検証を繰り返して知見を蓄えられるという、正の増強サイクルが回ると考え、設定しました。

この2つの軸より、私は「個人・集団の心理メカニズム」と、その知見を活かした「集団の幸福最大化」を人生のミッションとして掲げようと決めました。

なぜなら、人間の心・感情ほどデジタルに表現することが難しいものはなく、さらに社会的価値とは究極的にはすべて人間の心が作り出しているものと言えるため、そのメカニズムを深く理解することは、永続的に人間にとって価値あるものだろうと考えたからです。

こうして人生のミッションを仮にも見出した私は、新規事業責任者から人事企画へキャリアシフトすることを決めました。組織の生産性と従業員の幸福の双方に責任を担う人事こそ、私が突き詰めたいテーマに社会の最前線で取り組んでいる主体なのです。

しかしこの解のない難題に対しては、ある一分野からの考察では理想解にたどり着けないでしょう。「人事」という文脈に閉じずに、この課題を多面的に捉え、複数の視点を統合していくことによって、より確からしい解を追究し続けることができるのではないでしょうか。

だからこそ、ThinkAboutというメディアを通し、様々な先駆者たちに話を聞きにいくことによって知的好奇心を満たしつつ、その知見を社会に還元していく。まさに、これは私を突き動かす原動力そのものなのです。これからの記事が、皆さんの会社づくりに、そして「集団の幸福の最大化」に、少しでも寄与できれば幸いです。

執筆者:河西遼
2013年、東大を卒業し新卒でネットプロテクションズに入社。
入社後は新規事業として「NP後払いair」の立ち上げ責任者を経て、自ら異動希望を出し、現職の人事企画に至っている。内に秘めた知的好奇心を追求し、「人の感情のメカニズムや、最大幸福のための社会設計」について日々考えを巡らしている。
今後は会社のミッションと個人の幸せの両立を模索しながら、会社組織の新しい「アタリマエ」を実現していきたいと考えている。
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