ネットプロテクションズ(以下、NP)は、日本プロサッカーリーグ「モンテディオ山形」と2025年シーズンよりスポンサーシップを締結し、地域に根ざした協賛活動を展開しています。その一環として、6月15日(日)に開催された「モンテディオ山形 VS ベガルタ仙台戦」の一戦、通称“みちのくダービー”にて、ブックドライブ(古本の回収)イベントを実施しました。本記事では、当日の様子とその背景に込めた想いをお届けします。
ブックドライブとは?
読まれなくなった本を集め、障がい者就労支援施設で丁寧に再生・販売する取り組み、それがブックドライブです。
売上は、施設で働く障がい者の方々に工賃(報酬)として還元されます。これは単なる「モノのリユース」にとどまらず、「人の可能性」を再生する活動でもあります。自立支援や社会参加へのきっかけとして、各地で注目が高まっています。
なぜ、NPがこの活動に取り組むのか
山形県の障がい者就労支援施設(B型事業所)における平均工賃は、全国でも低い水準にとどまっています。この現状に対し、NPでは「地域全体で支え合う仕組み」が必要と考えました。
6月はJリーグの「気候アクション月間」として社会連携活動(シャレン!)が推進されており、ブックドライブはリサイクルという環境保護の観点で合致するサステナブルなイベントとなりました(※1)。
行政(山形県)、就労支援施設(山形県の就労支援事業所うぶ様)、一般社団法人(ワーキングバリアフリー様)、Jクラブ(モンテディオ山形)、企業(当社)、そして山形地域のサポーター——異なる立場の6者が共創する取り組みです。
(※1) Jリーグの社会連携活動とは:社会課題や共通のテーマ ( 教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など ) に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して、取り組む活動
詳細:https://www.jleague.jp/sharen/about/
当日の様子 ~地域連携が広げた「共感の輪」~
みちのくダービーには、約15,000名のサポーターが集結。
試合会場となったNDソフトスタジアム山形に、ブックドライブ専用の回収ブースを設置しました。
のぼり旗や説明パネルを設置し、ブックドライブの趣旨についてご理解いただく機会となりました。
さらに、モンテディオ山形の安部崇士選手の協力による事前告知の効果もあり、当日は多くの来場者が本を持参。最終的には、約270冊の書籍が寄せられました。
安部崇士選手の告知動画:https://x.com/monte_prstaff/status/1933818903572222042?s=46
回収にご協力いただいた方には、先着でオリジナルステッカーを配布。笑顔と温かい想いにあふれた場となりました。

回収した本は、山形県の就労支援事業所「うぶ」様にお渡ししました。
その本が、希望になる
古本回収の先にある私たちの活動テーマである「障がい者の就労支援」。
当日のブックドライブでは見えないところで動いていました。
今回活動している中で前回の古本回収後の状況を事業所うぶ様にお伺いしました。
回収した本を障がい者の方々の手によって丁寧に再生し、検品からECサイトに登録、発送。約1ヶ月間で約50冊を販売できたとのこと。
そこから得られた収益は、通常工賃に上乗せされる形で分配されました。

本の再生の様子
こんなコメントもいただいております。
「前回のブックドライブで回収した本の作業を通じて、あまり他者と会話をしなかった作業者が、少しずつ笑顔を見せ、仲間と会話するようになりました。金銭的な支援だけでなく、就労スキルの向上や人とのつながりをつくる“きっかけ”にもなっています。」
この言葉に、私たちの活動の意義が凝縮されています。
おわりに 〜“協賛”を超えて地域と共に歩む〜
今回、山形の地で、サポーターの皆さま、選手の方々、そして行政や地域の福祉事業所の皆様と直接つながることで、私たちは「この地域のために何ができるか?」という視点が共鳴したとき、立場や役割を超えた連携と実行が生まれていく——そのプロセスに深い可能性を感じました。
協賛やCSR活動に加えて、地域に根を張り、社会に寄り添う。
そんな未来の「アタリマエ」を、私たちはつくっていきたいと考えています。
NPはこれからも、「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに掲げ、モンテディオ山形をはじめとするJクラブとの連携を深めながら、地域課題の解決と持続可能な社会の実現に向けて、力強く取り組んでまいります。