ネットプロテクションズ(以下、NP)のミッションは「つぎのアタリマエをつくる」です。実はこれには「事業においても、組織においても」という枕詞が社内ではつけられて語られています。
ではNPは組織面においてどのようなアタリマエをつくろうとしているのか。その組織運営で大切にしている考え方をご紹介します。

「理想の組織」の追求

代表取締役CEO 柴田紳

NPは、創業から17年という年月をかけ、主力のコンビニ決済サービスの「NP後払い」に加えて、企業間決済サービス「NP掛け払い」や、消費者向けの決済サービス「atone.」、台湾での後払いサービス「AFTEE」等、新規サービスを次々と立ち上げてきました。現在は事業が軌道に乗り、経済的に強固な基盤が作られてきたタイミングだと考えています。

事業だけではなくNPは組織も成長させてきました。「理想の組織づくり」を重要視する企業経営のスタイルには代表の柴田の想いが色濃く反映されています。柴田が考える理想の組織とは、「巨大な成果を社会に対して出している」「個人がダイナミックに成長している」「会社にいる個人の幸せの総体が最大化されている」という3つの要素がバランス良く存在している状態です。個人の幸せを実現するためには、それぞれが自分なりのビジョンを持って、そのビジョンを実現するために挑戦できていることが大切だと考えています。

どれかひとつの要素に重点が置かれるわけではなくて、バランスしていることこそが大切。成果だけを出す組織でもなければ、ただみんなが楽しそうに働くサークルのような組織でもありません。社会に価値を提供し、対価として高収益を上げつつ、個人のビジョンも達成できる。そんな組織を目指しています。

理想の組織を実現させるために、全社員を巻き込み、ビジョン・ミッション再制定のプロジェクトを2011年に実施しました。1年以上議論して作られたのが「つぎのアタリマエをつくる」というミッションと「7つのビジョン」でした。1年という長い年月をかけて、全社員が自分たちの組織について改めて考え直しました。

一人ひとりの想いを最大限尊重することの重要性

社員が想いを語り合う場面が、そこかしこで行われている

このような「理想の組織」を目指す上で大きく影響を与えたことは、柴田が新卒で入社した会社での働き方でした。

ー新しいことをしたいと思ってもなかなか実現することができず、悔しい思いをしていたのです。大企業だったので、その会社の伝統やこれまで積み重ねてきた実績は当然リスペクトすべきものですが、当時は若さもあり「やりたいことができない」という不満が大きかったのだと思います。周りを見渡すと私のほかにもエネルギーや能力があるのに、成長実感も貢献実感も得られていない若手の社員は多いように感じました。

その時感じたのは、個人的な不満というよりも、人という社会資本が生かされていないことへの危機感の方が大きかったですね。良い刺激と良い場があればもっと大きくなれたはずの人間が、ある一定で成長が止まってしまったら、人材という社会資本がもったいないですよね。組織には、成果を出すことだけでなく、同時に個人の成長や個人の幸せを実現する責任もあると感じました。

そうは言っても、個人の成長や幸せも同時に追求した組織を作るのは本当に難しい。私自身、13年間会社を経営する中で、何度も諦めかけました。ベンチャー企業なので、人の成長よりも事業の成果だけを求めるべきではないか。組織としての成果の最大化を考えたら、個人の幸福は脇においておくべきではないか。事業と組織の理想を一緒に追い求めている会社が少ない中で、どう追い求めていけるのか答えがなかなか見えませんでした。

それでも、ギリギリのところで心から離さなかったのは、社員には自分のやりたいことに挑戦できる環境を提供したいという強い想いがあったからです。自分が若い頃に感じていた不満を感じるような組織ではなく、やりたいと思ったことの背中を押してあげられる環境をつくることこそが、人材という社会資本の価値を最大化させることだと感じていました。

幸せに働ける環境のための制度整備

NPの目指す方向性の擦り合わせは、常に行われている

NPは「成果主義」オンリーではなく、「成果」と「個人の幸せ」を同時に追求し、最大化させることを目指している組織です。だからこそ、業務時間の20%を、メイン業務以外で興味のある公募プロジェクトに参加できる「ワーキンググループ」や、社員一人ひとりが自分の将来像ややりたい分野、また将来ビジョンや異動希望などを記入し全社員に公開する「ビジョンシート」という制度を導入しています。

新卒採用や新卒の研修、中期経営計画の策定などもワーキンググループで実施しています。普段営業や開発の仕事をしている人間でも、人材育成や経営知識を身につけたいと感じているメンバーも多いので、20%のリソースをそちらにあてて活動しています。もちろんワーキンググループの成果も、ボランティアではなくしっかりと評価対象としています。その他にもインナーブランディング推進活動やオウンドメディア運営などのワーキンググループもあり、各々のキャリアプランや興味対象に応じて活躍する場が見つかる環境ではないかと思います。

これからもNPは、個人が幸せに働ける会社を増やしていくことを使命の一つとして実現していきます。理想の組織を目指していいこと。理想を目指して動いている人が他にいること。そんなことを伝えながら、同じような価値観を持つ会社を社会に増やしていきたいと考えています。

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