資本主義経済における会社像を超えて 【メタップス×ネットプロテクションズ_人事対談】

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資本主義経済における会社像を超えて 【メタップス×ネットプロテクションズ_人事対談】

会社づくりにおいて、わたしたちネットプロテクションズがどう考え取り組んでいるのか。私たちなりの観点をオープンに発信することで、読者の皆様との観点とが混ざり合い、 新たな解釈が生まれるきっかけづくりとなることを目指す本コラムサイト「Think About」。ユニークな会社づくりを行っている企業様と対談を通して、新たな観点・解釈が生まれるきっかけづくりを行います。

「利益を追求しない?」「個人の徹底的な尊重?」新しい会社像とは

NP秋山)
メタップスさんは事業展開のスピード感・スケールの大きさが話題になることもさることながら、代表の佐藤さんのメディアやブログにおける発言が印象的ですよね。「ポスト資本主義の社会」「お金ではなく価値や情報がパワーを持つ社会」といったテーマについてよく語られているかと思います。そして「そんなポスト資本主義社会を早く到来させる」ことが事業の目的であるとも語られているので、従来の会社像とは違うな。新しい会社像を目指しているな。と思っていました。

私たちも、「利益は目指すべき1つの指標。それ以外にも大事にするべきことがある」「社員は利益を生み出すための構成員ではない」「メンバー1人1人の幸福を最大化することも会社としてのミッションの1つ」という風に考えていて、まさに資本主義経済の中における「利益を生む出す主体」としての会社像とは異なる会社づくりをしていきたいと考えています。

そこで、同じように従来の資本主義経済における会社像を超えて、新しい会社像を生み出そうとされているメタップスさんに、どう考え・どのように会社づくりを行っているのか、観点をお伺いできればと思っています。

まずは、改めて会社としてどのような組織を目指しているかをお伺いできますか?

メタップス笠原さん)
メタップスとして一番大事にしていることは、「ビジョン」です。メタップスのビジョンは「世界の頭脳になる」ということを掲げています。コンピュータにあらゆるデータを学習させて、人々の最適な意思決定を支える頭脳になることを目指しています。このビジョンを元に事業を構築し、共感するメンバーを集めています。

笠原 浩二さん 株式ライブドア(現LINE株式会社)に所属しコミュニティサービス開発責任者として黒字化に貢献。2012年よりメタップス参画。収益化プラットフォーム「Metaps OfferBoard」、相互送客ネットワーク「Exchanger」、 アプリ解析ツール「Metaps Analytics」等のメタップスプロダクトの開発を牽引。2015年より人事責任者として部門の立ち上げを担い、組織拡大に大きく貢献する。
笠原 浩二さん
株式会社ライブドア(現LINE株式会社)に所属しコミュニティサービス開発責任者として黒字化に貢献。2012年よりメタップス参画。収益化プラットフォーム「Metaps OfferBoard」、相互送客ネットワーク「Exchanger」、 アプリ解析ツール「Metaps Analytics」等のメタップスプロダクトの開発を牽引。2015年より人事責任者として部門の立ち上げを担い、組織拡大に大きく貢献する。

メタップス笠原さん)
ネットプロテクションズさんはどんな会社像をお持ちなんですか?

NP秋山)
利益ももちろん大事ですが、あらゆるステークホルダーにとってのwinを追求することを大事にしています。メンバーが幸せになるための会社、事業であると思っていますし、同時にお客様やパートナー企業様といったあらゆるステークホルダーにとっての幸せにもつながることも目指しています。

だから儲かるためだけの事業をやりたいとは思っていませんし、どうせやるからには社会にインパクトがある、アタリマエとなるような事業をつくりたいと思っています。

また、事業展開をする上で所属するメンバーが駒になることも歪んでいると思っているので、アタリマエとなる事業づくりと同時に、個々のメンバーの幸せも追求する組織もつくる。そういった事業においても組織においても「つぎのアタリマエ」を目指しています。

なので、これもよく「普通じゃないですね」と言われる点なんですが、会社づくりを経営者・幹部だけで行うのではなく、全社員で会社づくりをするようにしているんです。会社づくりの根幹とも言える、採用や風土づくりも有志メンバーで行っていますし、ビジョンも当時のメンバー全員で、1年かけてつくりました。

メタップス佐久間さん)
会社づくりを全員でするんですか。それはユニークですね。メタップスはその点においては真逆ですね。ビジョン含め会社づくりは完全に代表の佐藤が決めている。佐藤のビジョンに共感するメンバーが集まってきているのがメタップスというチームです。共感しない人は入ってこないし、無理やりまとめようという考えもない。こう言うとトップダウンで個を尊重していないというように聞こえてしまうんですが、そうではなくて、個々をトップの色に染めようとしない、個人を尊重する文化と環境があります。

描いている世界観に対して、個々人で判断し、行動するという方針になっています。

【佐久間 祐司】 株式会社メタップス 人事部所属。ワトソンワイアット(現ウイリス・タワーズワトソン)、面白法人カヤック、同志社大学心理学研究科を経て現職。人事制度構築コンサルティングから面白採用企画まで幅広く担当した後、生体情報やビッグデータの人事への応用を志す。新卒採用キャンペーン「節就宣言」で第 10 回東京インタラクティブ・アド・アワード 銅賞を受賞。
佐久間 祐司さん
株式会社メタップス 人事部所属。ワトソンワイアット(現ウイリス・タワーズワトソン)、面白法人カヤック、同志社大学心理学研究科を経て現職。人事制度構築コンサルティングから面白採用企画まで幅広く担当した後、生体情報やビッグデータの人事への応用を志す。新卒採用キャンペーン「節就宣言」で第 10 回東京インタラクティブ・アド・アワード 銅賞を受賞。

トップのキャラクターがにじみ出た会社像

NP秋山)
世界観もユニークですが、実現へのプロセスもまったく規定がなく、個々人に任せてしまうというのはユニークですね。なぜ、そのような方針になっているんですか?

メタップス笠原さん)
世界観が一番大事で、事業やプロセスはあくまでも要素と捉えているからだと思います。ベンチャー企業の中には「どんな組織を作るか」という観点を大事にして、会社づくりをしている会社もあると思いますが、うちはまったくありません。どんなプロセスでやるか、もそれは要素でしかないので、佐藤はルールを作らないんです。だからメタップスのメンバーは、自分が所属する事業でさえも常に変わり得る存在だと捉えています。「この領域でやりとげる」というような考え方がなくて、いかに他社より先んじるか。追いつかれた時には次のステージに上がっているという先見性を強みとしています。

象徴的なのが海外拠点の運営です。現地の代表・メンバーの多くの裁量が大きく、日本からの指示でつくられたルールは皆無です。現地の事情、スピードに合わせて経営してもらっていて、採用もその拠点ごとに行います。

NP秋山)
現地のトップの色がそれぞれ出ていてもいいということですか。

メタップス笠原さん)
むしろ本社を困らせるぐらいの人を求めていますね。頼もしく、エネルギーに溢れている人を採用しています。独自の活動を行った結果起きる他の拠点とのコンフリクトは、経営レベルでは歓迎していますね。現場レベルでは苦労も多いですが。

NP秋山)
なるほど。こうしてみると、企業文化はトップのキャラクターが大きく影響しますよね。NPがユニークと言われる文化も柴田のキャラクター、過去の経験に強く影響されています。

柴田は新卒で商社の日商岩井(現:双日株式会社)に入ったんですけど、そこで思いっきり仕事をさせてもらえない経験をしているんです。そこで、志ある人が思いっきり仕事に打ち込めないことは個人にとっても、社会にとっても良くないことだ、歪んでいる、という考えが生まれ、これが大きく影響しているようです。

この考えからNPは、ステークホルダー含め、幸せになることを1つの重要なポイントにしています。その上で、どうせやるなら社会にインパクトがあること、アタリマエとなることをやることが充実だよねと。

だから、不可能と言われても挑み続けて実現する。結果、オペレーションが強みになっていたりする。組織づくりにおいても、目指す世界観を持っているから、そこに向かってPDCAを回しながら積み上げて進んでいく、というスタイルになってます。

メタップス佐久間さん)
うちには組織を積み上げながら作っていくという考え方がそもそもないですね。組織も常に変わり得る存在と捉えているので、スクラップアンドビルドが基本です。その時々で必要そうな形に変えていく柔軟な組織体制にしています。

組織を1つにまとめているビジョンのあり方の違い

NP秋山)
組織もその時々で柔軟ということですが、どうやって会社全体は1つの方向に向けられているんですか?

メタップス笠原さん)
やはり佐藤が描く世界観、ビジョンであり、佐藤の強烈な個性によって方向づけられていますね。彼が描いていること、そして社会にインパクトを残すことをやろうということに共感したメンバーが入ってきているので、明確に言葉に落として、浸透させるといった動きはなくても、みんな同じ世界観、方向性を向いていることができます。

それ以外は会社としてスタイルの統一はしていなくて、その時々、場所によっても異なっていて、柔軟に対応していこうと考え、捉えています。

NP秋山)
実はNPでは、目指している世界観には共感しているものの、スタイルの違いで全体のバランスが崩れた時期がありました。元々柴田もトップダウンで決めるといった方針ではなかったので、スタイルは自由だよと。しかし、そうしているとバランスが崩れてしまって、全体が同じ方向に進みにくい状況がありました。

だから7つのビジョンという会社としてのグランドルールを全社でつくったんです。

共通の「こういう働き方、考え方、価値基準がいいよね」というものを握っているから
採用も、7つのビジョンに共感してくれる人を採用する。だからスタイルがぶれない。

メタップスさんでは、より多様なメンバーがいたり、海外拠点もあったりと難易度が高そうですが、スタイルが統一されていないからこそ起きうる問題についてはどうやって対応していますか?

メタップス笠原さん)
今後はそういったマインドやビジョンの統一も必要になってくるかもしれないですね。これまでは規模も小さかったので、全員で集まる機会もあり、佐藤の言葉でしっかりまとまることができました。今後は人数や海外拠点も増え、M&A含めて多様なメンバー構成になってきているので、新たな施策が必要になってくるかもしれないと思っている段階です。

NP秋山)
新卒採用を始められたのもその一環ですか?

メタップス笠原さん)
その一環ですね。
ビジョンへの理解や組織として戦える集団にするために、新卒採用を始めました。

ただ、これをどれだけの比率増やしていくか。マジョリティにしていくのか、1/3程度なのかといったバランスはやりながら考えていきます。これも1つの挑戦です。
メタップス②

新しい会社像の実現に向けた未知なる課題への対応

NP秋山)
会社のフェーズが変わっていくにつれて、様々な課題に直面していきますよね。

今後、NPは、決済以外にももっと事業を多角的に展開していきたいと思っているし、海外に進出するかもしれない。そうした時に、人数も拠点も増えていくので、このままの共通認識レベル、カルチャーが保たれるのか、全員で会社を考え、つくっていくことができるのか、といった課題は感じています。

こうやってフェーズが変わって新たな課題が見えてくると、「トップダウンで管理体制を作る」経営スタイルが一般的に採られていることに理解ができるなと。

だけど、やっぱり自分たちは今の全員で会社をつくるスタイルを続けたいと思っています。難しいとは言われますが、それでも実現できる方法を考え続けたいんですよね。

自分たちは「つぎのアタリマエをつくる」ことを目指しているので、一般的な方法であるとか難しいとかではなくて、本当にいいと思うスタイルでチャレンジし、その結果、自分たちのスタイルがアタリマエになっていくといいなと思います。

メタップス笠原さん)
同感ですね。自分たちにも同じように、まだまだ少数精鋭だったから顕在化していない問題はあると思います。

ただ、それ自体も仮説検証の場であるとも思っているので、急に今のスタイルを変えて、普通の会社になろうとは思いませんね。

NP秋山)
それも、まずはやってみて、そこからスクラップアンドビルドしていこうといったスタンスですか?

メタップス笠原さん)
そうですね。

NP秋山)
従来と異なる方法論で会社づくりをしているから、何かの事例を参考にしきれないので、やってみつつにどうしてもなっちゃいますよね。

そういう意味では、積極的にチャレンジしてしまって、後から調整するという姿勢の大胆さは改めてすごいなと思いましたね。

今後も、転換期が相互にあると思いますので、定期的に情報交換させていただきながら高めさせてください。

執筆者:ThinkAbout編集部
ThinkAboutを運営するネットプロテクションズの社員によって構成される編集部です。
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