2018年10月30日、南青山のカフェレストランでネットプロテクションズ(以下、NP)が主催するはじめてのカンファレンスイベント「THINK ABOUT COFERENCE Vol.1 貨幣の束縛」が開催されました。

後払い決済を提供するNPがなぜこのようなカンファレンスを開催するのか。また、その事業と相反するようなテーマ設定の意図はどこにあるのか。カンファレンスの模様とともにご紹介します。

固定観念から抜け出すメディア「THINK ABOUT」

NPでは2016年よりTHINK ABOUTというオウンドメディアを運営しています。「固定観念から抜け出す」をテーマに、独自の経営哲学を持ち組織運営を行っている経営者や高い志を持っている研究者といった有識者の方のインタビュー記事を通して、理想の社会の実現について考えるキッカケを提供しています。

そんなTHINK ABOUTが主催したカンファレンスイベントが2018年10月に開催されました。

価値交換のあり方を考えるカンファレンス

本カンファレンスの大きな題材として掲げられたのは「信用」。それはNPが提供している決済サービスが「信用」をベースに作られているところに端を発しています。その「信用」をあらゆる側面からとらえ、価値交換や取引に紐づく様々な不自由や制約、また成果などの功罪を捉え直し、あるべき姿を考えたい。そのような想いからテーマを「貨幣の束縛」と設定し、コンテンツを考案していきました。

貨幣の意味を捉え直し、来るべき価値交換の姿を考えるというテーマのもと、登壇いただく有識者の方にお願いし、また参加いただく方にはそのインプットだけではなくアウトプットまでしていただきたいという想いから、オリジナルのツールを作りワークショップを設計しました。

レベルの高いパネルディスカッション。満足度はほぼ100%。

そしていよいよ当日。約100名の方にご参加いただきました。実は会場の関係でお申し込みいただいた方の中でもかなりの落選者が出てしまいました。次回以降にぜひご期待いただければと思います。

「新しいお金の教科書」の著者としても有名な事業家・思想家の山口揚平氏の基調講演ののちにはじまった最初のパネルディスカッションのテーマは「理想のお金って何だろう?〜実践者が語るお金とその周辺〜」。「腐る経済」の著者でもあるタルマーリー オーナシェフの渡邉格氏と歴史学者・歴史論者の三石晃生氏をお迎えし、NTTドコモの笹原優子のモデレートで進行しました。詳しいレポートはこちら。お金の存在価値や意義を改めて問い直すことができる、刺激溢れるセッションでした。

2つ目のパネルディスカッションは「2050年の価値交換を探る〜未来社会を描き、実現を考える〜」と題し、基調講演にも登壇した山口揚平氏、READYFOR代表の米良はるか氏、慶應義塾大学講師の斉藤賢爾氏が登場し、シンクタンク・ソフィアバンクの藤沢久美氏がモデレーターとしてセッションが繰り広げられました。詳しいレポートはこちら。貨幣や通貨の果たす役割を考えるとともに、それが未来ではどのような形で機能するのか、またお金を介さない価値交換が成立するのかなど、様々な観点を得ることができる内容でした。

セッションの内容は、その場でグラフィックレコーディングされ掲示されました。

刺激的なインプットを、その場でアウトプットする

その後5人ほどのグループに分かれてワークショップ。「2050年の価値交換を形にする」を目指し、今回のカンファレンスのために制作されたオリジナルツール「糸吉-ITOYOSHI-」を活用してワークします。

2050年の自分や家族、そして周りの様々な方を想像し、その際にどのよう価値交換が行われるのかを考えていきます。お金を使ったほうがいい場面やそれがなくても成立する場面。本当にそうなのか?この人はどうやって救われるのか?などパネルディスカッションのインプットで刺激された脳がさらに活性化されて、白熱したワークが行われていました。

結果的には一切の金銭授受を必要としない社会を作り上げたグループもいれば、お金を使う部分を残すことでお金のもっとも重要な役割を見出しているグループもありました。最後にそれらを掲示したまま懇親会を行うことで、参加者同士や登壇者も交えた様々な会話が生まれていました。

THINK ABOUTのカンファレンスはこれが最初でしたが、今後も開催を続けていきたいと考えています。またwebメディアでも固定観念から抜け出すきっかけとなるような記事を多数掲載しています(サイトはこちら)。ぜひ、今後のTHINK ABOUTにもご注目ください。

ブログ内検索

関連ブログ