法務を超えて事業に貢献
企業の進化を支える架け橋へ

門倉 紘子（2017年入社）
早稲田大学 法学部卒業後、首都大学東京（現 東京都立大学）法学政治学研究科 法曹養成専攻を修了し、ネットプロテクションズ（以下、NP）へ入社。法務グループ、FP&Aグループに所属し、コーポレート業務やIR業務、渉外業務などに携わる。

Q　門倉さんの現在の業務内容を教えてください。

私は法務を中心に、NPの事業運営を支える幅広い役割を担っています。具体的には、国内外の事業サポートとして、契約書確認やビジネススキーム構築をしたり、コンプライアンスやガバナンス体制の強化をしたり、IRとして投資家や株主の皆様とコミュニケーションをとったりしています。また、経営会議や取締役会の事務局も担当しており、経営と密接に連携しながら日々の業務を推進しています。

私が法務業務において特に重視しているのは、リスクを回避する「守り」にとどまらず、リスクを最小化しながらも事業や組織を前進させるという「推進」の視点を常に持つことです。例えば、新規事業やプロジェクトにおいて、法的リスクが懸念される場合は、単に「できない」と言うのではなく、リスクを軽減しつつ目標を達成できる代替案を提案するよう努めています。これは事業だけでなく組織においても同じであり、社会の公器である上場企業として適切なガバナンスは保ちつつ、NPの目指したい姿に沿った組織設計となるよう、柔軟性をもつこととを心がけています。

このように、法務として事業・会社を守る視点を持ちながらも、さらなるNPの成長のためにリスク管理を柔軟に行い、事業や組織を前に進めるサポートをしています。

Q　入社の決め手は何だったのでしょうか。

最終的な決め手は社長が語ったNPの将来像でした。決済事業を軸に隣接領域への拡大やデータ活用を進めていくという事業展望の話とともに、組織について「サークル活動のように楽しみながら、成果を出せる環境を作りたい」と語っていたことが印象的でした。複雑で難易度の高い事業に挑戦する一方で、自由で柔軟な文化を社長自身が求めている姿勢には驚きました。この組織であれば私も挑戦できると確信し、入社を決意しました。

また面接も印象的で、対話の中で「なぜあなたはそう思うのか？」と何度も深掘りされる中で、自分が大切にしている価値観に気づかされたことから、NPには本質を追求する文化があると実感しました。

Q　法務を主軸におきながらコーポレートやIR、渉外業務まで幅広く活躍することとなった、経緯を教えてください。

入社後は、これまで学んだ法律の知識を活かしたいと考え、法務グループへの配属を希望しました。配属後にまずは約1ヶ月間、法務業務の基礎をインプット。その後、決済事業における主要なステークホルダーである加盟店様やユーザー様のニーズをより深く理解するため、営業やカスタマーサービスの部署に短期間出向し、現場の実務を経験しました。

全社の現場を見たことで、出向終了後に法務業務へ戻った際もリスクヘッジ一辺倒にならず、事業全体の最適化を考えた判断を意識できるようになりました。加えて、NPには入社1年目から挑戦できる風土があり、社内から相談を寄せられる「実現したいこと」に対して法務の視点からどうアプローチするかを試行錯誤する環境が整っていました。こうした経験を積む中で、新しい企画が立ち上がるたびに法務の観点からサポートする役割を担うようになり、次第にコーポレートや渉外業務にも関わる機会が増えていきました。

さらに、企業の成長とともに上場を経たことで、IR業務にも携わるようになりました。事業の発展に伴い求められる役割が広がる中で、現在のような幅広い領域で活動するに至ります。

Q　裁量権を持ち、主体的に取り組んだ業務はありますか。

IPO準備とIPO前の資金調達に取り組んだプロジェクトは、私にとって非常にチャレンジングな経験でした。社内にIPOの知見を持つ人がいない中で、弁護士、証券会社、VCといったプロフェッショナルと協働する必要がありました。彼らの視点や厳しい基準に対応しなければなりませんが、自分がこれまで学んできた教科書的な知識だけでは通用しない場面も多く、実務を適切に進めることの難しさを痛感しました。例えば、株式市場や投資家の視点を踏まえた意思決定を求められた際には、どの程度まで保守的な対応を取るべきか、またどこでリスクを取るべきかのバランス感覚が試されました。

初めての実務では、正しいと信じた対応が逆に失敗を招くこともありましたが、失敗をリカバリーする中で多くを学ぶ機会を得ました。未経験の中でもプロフェッショナルたちからフィードバックを受けつつ、課題に対処する力を磨いていきました。このプロジェクトを通じて、教科書的な知識を超え、現場で求められる判断力や柔軟性を身につけることができたと感じています。この挑戦は、NPの成長を支える基盤を構築し、法務としての幅を広げる契機となりました。

Ｑ　事業や組織に感じる可能性や伸び代を教えてください。

「試練を乗り越えながら独自性を活かし、事業と組織を進化させる可能性」に伸びしろを感じています。
IPOという試練を乗り越えたことでブランドイメージが向上し、「プライム上場企業」として社会的な信頼を得やすくなったことは、様々なステークホルダーとの関係構築においてポジティブな影響を与えています。そのため、このように一定の試練を乗り越えて変化していくことは、NPの成長を支える重要な基盤となる可能性を秘めていると思っています。

そして、現在、NPはライセンスを要する決済事業や金融領域への拡大など、新たな試練と向き合う段階にあります。これらは一見、事業推進のハードルになるかのように見えますが、逆にこれらを乗り越えることで事業基盤を強化し、業績を向上させるチャンスでもあると考えています。

また、組織面においてもステークホルダーの多様化により、透明性や責任感のある経営が求められるようになりました。これにより、社内全体の意識が高まり、より強固な組織文化が形成されています。私自身、自由な環境以上に、ハードルを乗り越え挑戦を重ねながら価値を生み出していく過程に大きなやりがいを感じます。変化を楽しみながら成長し続けられることが、NPで働く中で最も刺激的な部分だと思っています。

Q　今後、チャレンジしたいことを教えてください。

法務の役割をさらに進化させ、事業成長を支えていきたいです。NPの法務は単なる裏方ではなく、事業推進の重要な役割を果たしています。会社の基盤を支えながら事業を成長させるプロセスを通じて、さらに広い視野とスキルを身につけ、NPの未来を切り拓く存在となれるよう、尽力していきたいと思います。

また、チーム、メンバーの挑戦を後押しする組織づくりにも取り組みたいです。これまでは自分で解決してしまう癖が強かったのですが、他のメンバーがトライアンドエラーを繰り返しながら学べる機会を増やすことで、自分がそうだったように、チーム全体の成長につなげたいと考えています。法務の知識だけでなく、事業の視点を持った法務チームをつくることで、より強い組織にしていきたいです。

さらに、コーポレート全体を支える視点を持ち、会社の成長戦略にも関わっていきたいです。
IPOの経験を通じて、株主様や投資家様との関わりが増え、NPの提供価値を社内外に伝える重要性を実感しました。これからは法務の枠を超えて、会社全体の意思決定を支えられるような役割にも挑戦したいです。例えば、M&Aなどの成長戦略に関わる機会があれば、これまでの経験を活かして会社の成長に貢献したいと考えています。

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